車の廃車が完了すると、発行されるのが「廃車証明書」です。
「廃車証明書なんてもう必要ないだろう」と適当に保管してどこに保管したか忘れてしまったり、すぐに捨ててしまったりする方もいらっしゃる事でしょう。
しかし、ご安心ください。
廃車証明書を紛失しても再発行が可能なのです!
ここからは、廃車証明書の再発行について、廃車証明書がどんな時に必要なのかなども加えて説明します。
廃車証明書とは
車を廃車にした時には、「廃車証明書」が発行されます。
廃車証明書は正式名称ではなく、普通自動車用では2種類、軽自動車用も2種類、計4種類をまとめて廃車証明書と呼んでいます。
普通自動車の廃車証明書種類
普通自動車の廃車の種類について説明します。
- 登録識別情報等証明書(一時抹消登録用)
- 登録事項等証明書(永久抹消登録用)
軽自動車の廃車証明書種類
軽自動車の廃車の種類について説明します。
- 自動車検査証返納証明書(一時使用中止用)
- 検査記録事項等証明書(解体返納用)
登録識別情報等証明書とは
登録識別情報等証明書について説明します。
以前は「一時抹消登録証明書」という名称でしたが、改正道路運送車両法の施行により、登録識別情報制度が開始した平成20年11月4日以降は、「登録識別情報等通知書」の名称に変更されました。
普通自動車の一時抹消登録をした場合、その証明となる書類で車の解体はせず、一時的に使用停止状態にする廃車手続き後に受け取る書類になります。
登録識別情報等証明書内に記載の内容は、登録事項等証明書とほぼ同じで一時抹消登録が行われた記録に加え、所有者の名前や住所、車体番号、登録番号、車の型式といった、車検証に記載のある情報も書かれています。
運輸支局(陸運局)にて発行手数料300円がかかります。
登録事項等証明書とは
登録事項等証明書について説明します。
普通自動車の永久抹消登録をした場合、その証明となる書類で対象の車を解体し永久的に使えなくする廃車手続きを行った後に受け取る書類になります。
永久抹消登録が行われた記録に加え、所有者の名前や住所、登録番号、車台番号、車の型式といった、車検証に記載のある情報も書かれています。
登録事項等証明書には、「現在登録事項等証明書」と「詳細登録事項等証明書」の2タイプがあります。
- 現在登録事項等証明書:今現在の車検証の状態を記録
- 詳細登録事項等証明書:新車登録時から現在に至るまでの全履歴を記録
運輸支局(陸運局)にて発行手数料300円がかかります。
自動車検査証返納証明書とは
自動車検査証返納証明書について説明します。
車の使用を一時的に中止する手続き(一時抹消登録、廃車手続きのこと)を行った後に受け取る書類になります。
普通自動車で言う一時抹消登録の軽自動車バージョンの書類です。
自動車検査証返納証明書には、一時使用中止が行われた記録に加え、所有者の名前や住所、車体番号、登録番号、車の型式といった、車検証に記載のある情報も書かれています。
軽自動車協会にて発行手数料300円がかかります。
検査記録事項等証明書とは
検査記録事項等証明書について説明します。
軽自動車の解体返納をした場合、その証明となる書類で対象の車を解体し永久的に使えなくする廃車手続きを行った後に受け取る書類になります。
普通自動車で言う永久抹消登録の軽自動車バージョンの書類です。
検査記録事項等証明書には、解体返納が行われた記録に加え、所有者の名前や住所、車体番号、登録番号、車の型式といった車検証に記載のある情報も書かれています。
軽自動車協会にて発行手数料300円がかかります。
廃車証明書が必要になるシーンとは
車を廃車をした後に、自動車保険を解約したり、車庫証明を申請する際などに必要となる事があります。
次によくあるケースを紹介します。
廃車証明書が必要になるよくあるケース
そもそも廃車証明書が何に必要なのかをいくつかの例を上げて説明します。
- 自賠責保険を解約する場合
- 任意保険の中断
- 新しい車の車庫証明を申請
- 一時抹消した車の再登録
自賠責保険を解約する場合
自賠責保険は、公道を走行するすべての車に、⾃動⾞損害賠償保障法によって加⼊が義務づけられている強制保険です。
車を廃車にしたら公道を走ることはないため、自賠責保険を解約できます。
保険会社で解約手続きの時に、廃車が完了していることを証明する必要があり、廃車証明書が必要となります。
*自賠責保険を解約後、残りの期間がある場合は、還付金として前払いしていた保険料が返ってきますよ。
任意保険を中断する
任意保険の解約にも廃車証明書が必要な場合もあります。
任意保険の解約自体は、廃車証明書がなくても可能ですが、中断申請をする際には、廃車証明書が必要な事が多々あります。
任意保険の中断申請を行うと、自身の加入保険の等級を次の車に引き継ぐ事ができます。
現在の車に対する任意保険を中断する理由を示す時に、廃車証明書を提出することがあるためです。
新しい車の車庫証明を申請する
車庫証明とは、自動車保管場所証明書のことであり、自動車の保管場所を確保していることを証明する書類です。
名義変更、引越しなどで車の保管場所が変更になった際、申請が必要になります。
また、永久抹消登録で車を廃車した後、新しく車を購入する場合に必要になる事があり、永久抹消登録を行った事実を証明するため、登録事項等証明書が必要になります。
*一時抹消登録をしてからその後に永久抹消登録した場合には、登録事項等証明書に加え、一時抹消登録時に発行された抹消謄本のコピーも用意する必要があります。
一時抹消登録した車を再登録する
一時抹消登録を行い使用停止状態の車を再び登録して公道を走れるようにする際にも、廃車証明書が必要です。
再登録の手続きは、普通自動車の場合は運輸支局の窓口、軽自動車の場合は軽自動車検査協会の窓口で行います。
廃車証明書の再発行について
先に言ってしまうと廃車証明書を紛失してしまった場合、再発行できるものと、できないものがあります。
では廃車証明書の、どれが再発行できて、どれが再発行できないのかをご紹介します。
再発行可能な廃車証明書
再発行が可能な廃車証明書は以下になります。
- 登録事項等証明書(普通車)
- 検査記録事項等証明書(軽自動車)
登録番号(ナンバープレート番号)と車台番号を提示する必要があります。
登録番号や車台番号は、車検証で確認できますが、すでに廃車されて無くなっている可能性があるので、事前に番号をメモするか車検証を写メしておくと良いでしょう。
再発行が出来ない廃車証明書
再発行が出来ない廃車証明書は以下になります。
- 登録識別情報等証明書(普通車)
- 自動車検査証返納証明書(軽自動車)
登録識別情報等証明書や自動車検査証返納証明書を紛失した場合は、再発行が出来ません。
盗難後の悪用などの犯罪に利用されるリスクを防ぐためです。
紛失した場合は再発行ではなく、再登録をする形となります。
普通車であれば運輸支局で「登録識別情報等証明書の遺失などに係る新規検査・登録申立書」を提出すれば、再登録が可能。
軽自動車検査協会であれば「自動車検査証返納証明書などの遺失などに係る新規検査願出書」を提出すれば、再登録が可能です。
廃車証明書を再発行する場合の記入方法
廃車証明書を再発行する場合の記入方法についてご紹介します。
登録事項等証明書の再発行の記入方法
登録事項等証明書を再発行する場合は「第3号様式」を使用します。
登録事項等証明書を再発行する場合の交付請求書の記入方法になります。
- 登録事項等証明書交付:チェック
- 証明書交付を数字で書く:5
- 現在証明は:1
- 車台番号:下7桁
- 自動車登録番号:ナンバープレート
- 現在記録ファイル記録事項分:チェック
- 具体的な理由を記入:例 中古車を購入するにあたり、車庫証明申請のため
- 請求する方の氏名住所を記入
登録事項等証明書の再発行の記入方法動画
自動車検査証返納証明書の再発行の記入方法
自動車検査証返納証明書を再発行する場合は「軽第3号様式」を使用します。
自動車検査証返納証明書を再発行する場合の交付請求書の記入方法になります。
- 検査記録事項等証明書交付請求書:チェック
- 業務種別:証明書交付7を記入
- 証明書:「1現在」「2明細」のどちらか選んで記入
- 自動車登録番号:ナンバープレート
- 車台番号:下7桁
- 証明書で「1現在」を選択した場合は「現在記録ファイル記録事項分」にチェック
- 所有者の氏名、住所を記入
- 交付を受ける理由:例 廃車済みで確実に廃車しているのかを知りたい時など
自動車検査証返納証明書の再発行の記入方法動画
まとめ
廃車証明書の再発行についていかがでしたか。
廃車証明書の再発行は、とても簡単ではありますが、ナンバーや車台番号まで覚えている方は少ないでしょう。
廃車証明書は、紛失しないよう大切に保管しておくほうが良さそうです。