駐車場に止めていて戻ってみたら、「あれ、なんか車に傷付いていないか?」。
もしかしたら、こういった経験をしたことがある方、結構いるのではないですか。
「自分でどこかにぶつけたり、こすったりして、傷が付いたのか?」、それとも「隣の車がぶつけたか?」と考えてしまうのが通常ですよね。
しかし、身に覚えがなく、駐車場に自分以外の車が無かったら、それは「当て逃げ」でしょう。
ここでは、駐車場での当て逃げについて、気になることをごっそりお伝えいたします。
当て逃げの検挙率
当て逃げをされて警察に通報すれば簡単に捕まえてもらえると思っていませんか?
しかし、当て逃げをされた場合には、以下の2パターンに分けられます。
- 当てた車の車種やナンバーが分かる
- 車種、ナンバーともに分からない
法務省が発表している犯罪白書によると、皆さんもご存知であろう「ひき逃げ(対人)」に関しては、検挙率が90%以上の高水準という結果があります。
一方で「当て逃げ(対物)」の検挙率はと言うと、残念ですが公表されているものは存在していません。
なぜなら、上記の2パターンから分かるように、車種やナンバーは分からなければ、検挙するのはかなり難しいと言われているからです。
当てた車の車種やナンバーが分かるのであれば、もしかしたら検挙率は高水準であるかもしれません。
駐車場で当て逃げを未然に防ぐ5つのこと
「当て逃げをされる=目撃者がいない」という事が多いと思います。
目撃者がいないという事は、車種やナンバーも分からないという事になり、結果、警察に通報しても検挙に至らないというケースが多いようです。
検挙に至らなければ、ぶつけられた、破損された箇所の修理は、車両保険に入っていたとしても保険契約内容によっては自己負担になってしまい、余計な出費になってしまう事は言うまでもありません。
「ぶつけられて、自己負担」、そんな馬鹿馬鹿しい事はありませんので、当て逃げを未然に防ぐことが出来るのか、ネットをくまなく検索し、経験も交えてご紹介したいと思います。
大型ショッピングセンターなどは駐車場が広く、自分の車もどこに置いたか分からなくなってしまうくらいですよね。
駐車スペースで人気がある場所と言えば、そうです「店内出入口に近い場所」ではないでしょうか。
店内出入口に近い場所は、いつもいっぱいですが、例えば「運転に自信が無い人」は、駐車している車が少ない所を選びがちになり、店内出入口から遠くに止める傾向があります。
と言う事は、店内出入口から遠くに止めた場合、隣に運転に自信が無い人が止める事があるという事です。
また、店内出入口から遠くに止めた場合は目撃者が少なくなってしまいますので、当て逃げされても分からないでしょう。
「店内出入口に近い場所」であれば、お客さんの出入りが激しいので目撃者も多く、運転に割と自信がある方が止める可能性があるので、出来れば店内出入口に近い場所に駐車することをおすすめいたします。
コストコやイケア、ららぽーとなど、大型施設の駐車場は基本的に横との間隔が広く作られている駐車場です。
間隔が広ければ、ぶつける、ぶつけられる心配は少しは軽減するでしょう。
少し古い駐車場の場合はどうでしょうか。
隣との間隔が異常に狭い駐車場も中にはあります。
出来れば、横との間隔が広い駐車場を選んでおくと、当て逃げをされるケースは少なくなるかもしれません。
「それでも不安だ」と言う方は、立体駐車場に入れれば絶対当て逃げはありませんよ。
近年、ドライブレコーダーは立派な証拠として注目されていることは言うまでもありませんよね。
ニュースでもたびたびドライブレコーダーの動画を見る機会があると思いますが、画像の解像度も素晴らしく、夜間でもばっちり確認できるほどです。
現在のドライブレコーダーには、当て逃げ対策として駐車監視機能が付いたタイプが主流です。
- 衝撃を感知して録画を開始するタイプ
- 常時に録画し衝撃を感知すると前後の動画を保存するタイプ
- 動体を検知して録画するタイプ
ドライブレコーダーは、フロント部分を撮影しているため、「ドアミラーの傷」や「ドアの傷」に関しては、残念ながら特定することは難しいかもしれません。
しかし衝撃感知タイプでも、もしかしたら映像に残っていた直後に左右どちらかから車が出て行けば、その車が当て逃げ車である可能性だってありえなくはないでしょう。
ドライブレコーダーは、自動車保険のような物だと思って設置するのが良いかもしれませんね。
高級車の横に好んで駐車する人は少ないと思います。
「高級車」に乗れれば当て逃げされるケースは少ないのかもしれませんが、そんな訳にもいきません。
もっと手っ取り早くする方法は、「車をきれいにしておく」と言う事です。
車をピカピカにしておくことで、高級車と同じような感覚にさせ、きれいな車の横には駐車したくないと感じさせることが出来ると思います。
汚れていれば傷の確認も出来ないですしね。
車をきれいにしておくことで、ぶつけられることも少なくなるでしょう。
ここまでやる必要は無いかもしれませんが、当て逃げをされた場合に証拠として立証できるかもしれません。
当て逃げは、されやすい個所は決まっています。
- 左右ドアミラー
- 左右ドア部分
- フロント左右バンパー
バック駐車してある場合、リア部分を当て逃げされるケースはほとんど無いと思います。
従って、駐車をしてから上記3カ所をスマホを使って写真を撮り、横に車がいるようであれば念のためナンバー・車種をメモしておくのも良いと思います。
駐車場に戻ってきたら、3カ所に傷が無いかどうかの確認をしてみましょう。
駐車場で当て逃げをされた場合に絶対取るべき4つの行動
実際、当て逃げを絶対に防ぐ事は不可能ですが、もし当て逃げをされてしまった場合は、何をしなければいけないのか。
ちょっとした傷ですと、しばらく気づかず洗車した後で「なんだ、この傷?」なんて思う方も多いはずです。
結構な傷や破損を受けてしまい、完全な当て逃げをされた場合は、今回ご紹介する行動をとると良いと思います。
是非、ご覧ください。
1.加害車両の特定
一般的には、すでに加害車両は立ち去っている事と思います。
しかし、加害車両が立ち去る行動を確認できた場合は、分かる限り以下をメモしてください。
- 車種(セダン、ミニバン等)
- 自動車メーカー
- 車種名
- ボディーカラー
- ナンバー
とくにナンバーと自動車メーカーだけは必ずメモをするようにしましょう。
ナンバーが分かれば加害車両を特定するのにぐっと近づきます。
可能であればナンバーが映るように写真を撮るのも良いと思います。
また、近くにいた人にも聞いてみるのも有効で、意外に第三者の方が目撃したなんてことも多いようですので、勇気をもって聞いてみてください。
2.警察に通報
「駐車場の事故は交通事故ではないので警察は介入しない」と聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
確かに道路交通法によれば、道路上で起こった事故、いわゆる公道で起こった事故を交通事故と言い、私有地である駐車場は、道路交通法の適用がないことがあります。
しかし、私有地でも「不特定多数の者が自由に行き交うことができる場所」は道路交通法が適用されるのです。
従って、どんな状況であれ、当て逃げをされた場合には、まず最初にやるべき行動は、「警察への通報」になります。
3.駐車場の管理会社へ連絡
スーパーなどの駐車場で、「駐車場で起きた事故につきましては一切責任を負いません」と言うような看板や表記を見たことがありませんか?
責任を負わないからと言って連絡をしてはいけない訳ではありません。
最近は防犯カメラが多くの店舗で設置されており、設置された防犯カメラの映像やドライブレコーダーから加害車両が割り出せる可能性があるかもしれません。
しかし、すべての駐車場管理会社が防犯カメラの映像を確認させてくれるわけではありませんし、一般の人には絶対に見せてくれません。
当て逃げされた駐車場で、管理会社にも連絡を入れ、何か対応してもらえるか確認をしてみる事が大切です。
4.加入している自動車保険会社に連絡
交通事故を起こした、起こされた場合、警察に連絡とともに加入している自動車保険会社に連絡しますよね。
車が破損した場合に、相手側の「対物保険」、自分側の「対物保険」もしくは、自分の「車両保険」を使用して修理をすることになります。
しかし、当て逃げをされ、相手が特定されない場合は、相手側の「対物保険」は使用されず、自分の「車両保険」か自己負担で修理をするしかありません。
私のように車の年式が古く「車両保険」に加入をしていない方は、自己負担での修理しかないという事になります。
では、車両保険に入っていないのであれば、自動車保険会社に連絡は不要だと思っている方、それは間違いです。
理由としては、後で当て逃げした車両が特定された時、先方の保険会社とやり取りになった場合、過失割合を言われる可能性があり、前もって自分の加入している自動車保険会社に連絡しておけば、スムーズに行くからです。
ですので、当て逃げをされ相手が分からないとしても、必ず加入している自動車保険会社に連絡をしてください。
確かに当て逃げは車両保険のみの扱いになりますが、気を付けなければいけない事が2つあります。
車両保険には、保険会社によって呼び方が少々違いますが以下の2タイプがあります。
- エコノミー型
- 一般型(フルカバー)
ざっくりですが、エコノミー型と一般型の違いをお伝えします。
内容 | エコノミー型 | 一般型 |
他車との衝突・接触 | ○ | ○ |
いたずら・落書き | ○ | ○ |
飛び石など落下物 | ○ | ○ |
火災・台風・洪水 | ○ | ○ |
当て逃げ | × | ○ |
単独事故 (電柱、壁などに衝突) | × | ○ |
自転車との衝突・接触 | × | ○ |
地震 | × | × |
車両保険の契約内容によっては、実は、当て逃げの場合でも保険が適用されないケースがあります。
もし、現在、車両保険に加入しているのであれば、一度、契約内容を確かめてみると良いでしょう。
まとめ
駐車場での当て逃げについてはいかがでしたか。
加害車両のナンバーが分からなければ、実際、捕まるケースは少なく、逃げられてしまう事が多いでしょう。
当て逃げは、「運」のようにも感じますが、今回ご紹介した予防策を参考にしていただき、愛車を守っていただきたいと思います。