「カーシャンプーが切れていた」「今すぐ洗いたいけど専用洗剤がない」――そんなとき、台所にある食器用洗剤で代用できないかと考えた経験はありませんか?
たしかに、食器用洗剤は泡立ちもよく、油汚れにも強いため、便利そうに見えます。
しかし、車のボディや塗装、コーティングの構造は食器とはまったく異なります。
間違った使い方をすると、知らないうちにコーティングを傷めたり、塗装の寿命を縮めたりすることも。
手軽さとリスクのバランスを正しく理解しておくことが重要です。
ここでは、食器用洗剤を使った洗車のメリット・デメリット、どうしても使う場合の正しい方法、などわかりやすく丁寧に解説します。
食器用洗剤で洗車しても大丈夫?
まず結論から言うと、食器用洗剤を使った洗車は「一応可能」ですが推奨はされません。
実際に使っている人も一定数いますが、それには理由があり、同時にリスクも伴います。
食器用洗剤は本来、台所の油汚れやたんぱく質などを落とす目的で作られており、そのために界面活性剤や洗浄成分が強力に設計されています。
これは、家庭の油汚れには効果的ですが、車のボディにとっては“洗浄力が強すぎる”ことも意味しています。
特に注意したいのが、次の3つのポイントです。
- 食器用洗剤はコーティングの保護を前提にしていない
市販のカーシャンプーは、ボディコーティングを守るように中性でマイルドな成分で設計されていますが、食器用洗剤にはそのような配慮は一切ありません。 - 塗装に残留する可能性
食器用洗剤の一部成分は、ボディに残りやすく、完全にすすがなかった場合に塗装やモールの劣化につながることもあります。 - 研磨剤・除菌剤を含む製品もある
とくに「除菌タイプ」や「香り付き」などは、添加成分が塗装に悪影響を及ぼす可能性があり、絶対に避けるべきです。
ただし、「たまたまカーシャンプーを切らしていた」「雨で汚れた車を今すぐどうにかしたい」といった緊急時の一時的な代用であれば、中性タイプの食器用洗剤を薄めて使うのは最終手段として許容される範囲です。
食器用洗剤を使うメリット
洗車に本来使うべきではないとされる食器用洗剤ですが、実際に使う人が少なくない理由も存在します。
その背景には、次のような現実的なメリットがあるからです。
1. すぐ手元にある・入手しやすい
カーシャンプーはホームセンターや通販で買う必要がありますが、食器用洗剤はほとんどの家庭に常備されています。
そのため「今すぐ洗いたい」というときに、最も手軽に使える洗剤であることが大きなメリットです。
2. 泡立ちが良く、汚れが落ちやすい
食器用洗剤は泡立ちや油汚れの除去性能に優れています。
泥汚れや虫の死骸、雨ジミなど、しつこい汚れに対して泡がよく絡み、比較的ラクに落とせると感じる人もいます。
3. コストが非常に安い
専用カーシャンプーは1本800~1,500円程度するのに対し、食器用洗剤は100〜300円前後。
しかも数滴で十分に泡立つため、1回あたりのコストは数円レベルと非常に経済的です。
4. 油膜除去の効果が得られる場合も
市販のカーシャンプーが苦手とする“頑固な油膜”などを、界面活性剤の力で一掃できることがあります。
特にフロントガラスのギラつきが気になる人が試すことが多いようです。
以上のような理由から、「たまに食器用洗剤を使うのは便利」と感じる人が一定数存在します。
ただし、これらのメリットはあくまで“短期的な視点”での利便性であり、次の章で紹介するリスクを理解したうえでの使用が大前提です。
食器用洗剤を使うデメリットとリスク
洗車で食器用洗剤を使うことには、一見便利そうに見えて長期的には大きなデメリットとリスクが潜んでいます。
特に、愛車を長く大切に乗りたい方には注意すべき点が多いです。
1. コーティングやワックスを除去してしまう
車に施工されているワックスやガラス系コーティングは、水や紫外線、汚れからボディを守るための大事なバリアです。
ところが、食器用洗剤の界面活性剤はこの保護層を分解・除去してしまう作用があります。
結果として、せっかく高価なコーティングをしても数回の洗車で効果が激減することもあり、コスト的にも大きな損失になります。
2. 塗装を徐々に劣化させる可能性
食器用洗剤は“肌にも優しい”という印象があるかもしれませんが、それは短時間の接触を想定した用途だからです。
自動車塗装に長時間付着すると、塗装面の艶が失われたり、くすんできたりすることがあります。
とくに濃色系の車では、細かい洗剤残りがシミやムラとして表面に残りやすく、見た目にも大きく影響します。
3. ゴム・樹脂・メッキ部分に悪影響を及ぼす可能性
車の外装には、ウレタンバンパーやゴムモール、樹脂製パーツなども多く使われています。
これらは食器用洗剤の成分に敏感で、洗剤が強すぎると白濁化やヒビ割れの原因になることがあります。
4. 洗剤の成分が残留しやすい
食器用洗剤は水で簡単にすすいでいるつもりでも、ボディ表面やすき間に残留しやすいという特性があります。
これは乾いたあとにシミ・跡になるリスクが高く、再洗車が必要になることも。
5. 使用頻度が増えると、塗装寿命が短くなる
食器用洗剤を定期的に使用すると、コーティングを剥がす→ボディがむき出し→汚れや紫外線で直接ダメージを受ける…という悪循環に陥ります。
長く車をキレイに保ちたい人ほど、使用頻度には要注意です。
便利そうに見える食器用洗剤も、「その場しのぎ」であることを理解した上で使うことが大切です。
どうしても使う場合の正しい使い方
カーシャンプーが手元になく、どうしても今すぐ洗車したい──そんな場面では、食器用洗剤を応急処置として使うこともやむを得ないかもしれません。
その場合は、車へのダメージを最小限に抑えるための正しい使い方をしっかり守ることが大切です。
以下の手順と注意点を守って、安全に洗車しましょう。
1. 中性タイプの食器用洗剤を選ぶ
食器用洗剤には「中性」「弱アルカリ性」「除菌・漂白成分入り」などさまざまな種類があります。
必ず「中性」と記載されたシンプルなタイプを選びましょう。
- 「除菌」や「漂白」「香料入り」は避ける
- 液性が「弱アルカリ性」「酸性」と書かれたものは使用しない
- キッチン泡スプレータイプもNG
※液性の表記はボトル裏の成分表示に記載されています。
2. しっかりと水で薄める(“1滴”が基準)
洗剤をそのまま原液で使うのは絶対NGです。
必ずバケツ1杯(約5〜8リットル)に対して、1〜2滴程度を目安に十分に希釈してください。
泡立ちが良すぎるほどに強力なので、少量で十分です。
「薄すぎるかな?」と思うくらいがベストです。
3. 車のボディが冷えた状態で行う
炎天下やエンジン直後など、ボディが熱を持っている状態で洗剤を使用すると、急速乾燥によってムラ・シミの原因になります。
洗車は必ず朝方や夕方など気温が低い時間帯に行いましょう。
4. 上から順に洗い、こすりすぎない
基本はルーフ(屋根)→ウィンドウ→ボディ側面→下回りの順番で。上から流れ落ちる泡が下部の汚れを予洗いするため、効率よく洗えます。
力を入れてこすらず、柔らかいスポンジやムートンで撫でるように洗うのがポイント。
食器用洗剤は油膜除去に強いため、摩擦を強める必要はありません。
5. 洗剤が残らないようにしっかりすすぐ
洗車後は念入りに水で洗剤を洗い流すことがとても重要です。
ドアミラーのすき間やモールの周辺など、泡が残りやすい場所にも注意して流しましょう。
とくに洗剤の成分が乾いて残留すると、シミや艶引けの原因になります。
ホースの水量が十分でないときは、ペットボトルやバケツで何度も流すのがベターです。
6. すぐに拭き取りと保護処理を行う
洗い終えたら、水分をマイクロファイバークロスなどで丁寧に拭き取ります。
自然乾燥は水シミの原因になるため避けてください。
その後、スプレータイプの簡易コーティング剤やワックスで保護処理を行えば、除去された被膜を補えます。
7. 頻繁な使用は避ける
この方法で洗っても、あくまで「緊急時の応急処置」として捉えるべきです。
月に何度も使うと塗装やコーティングに大きな影響が出るため、基本的には専用カーシャンプーを使う習慣をつけましょう。
まとめ
食器用洗剤で洗車をすることは、緊急時の代用としては“あり”ですが、あくまで一時的な措置であることを忘れてはいけません。
確かに、泡立ちや洗浄力、コストの面では手軽で便利に感じるかもしれません。
しかしその裏では、コーティングの劣化や塗装へのダメージ、ゴム・樹脂部の劣化など、車の美観と耐久性に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。
どうしても使う場合は、必ず中性タイプを選び、しっかり薄めてから使用し、すぐにすすいで保護処理を行うなど、正しい手順と知識を持って使うことが絶対条件です。
本来は、カーシャンプーや専用アイテムを使うのがもっとも安全で確実な方法です。
愛車を長く美しく保つために、日頃から正しい洗車習慣を心がけましょう。
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